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結論:多くは「食欲がない」のではなく「食べにくい」
先に結論を書きます。シニア犬がごはんを食べなくなったとき、飼い主さんはまず「食欲が落ちた」と考えます。ですが実際には、食べたい気持ちはあるのに、姿勢がつらい・においが分からない・噛むと痛い、という理由で食べられていないケースが少なくありません。
だから手を打つ順番はこうなります。①危険なサインがないか確認して、必要なら受診 → ②食器の高さ・温度・固さ・回数を変えてみる → ③それでも戻らないならフードの見直し。フードを変えるのは最後です。順番を飛ばすと、治療が必要な病気を見逃したり、フード代だけがかさんだりします。
【最初に】この症状があればフードより先に動物病院へ
次のどれかに当てはまるときは、工夫を試す前に動物病院で診てもらってください。
- 水も飲まない(脱水は状態を急激に悪化させます)
- 吐く、下痢が続く
- 体重が落ちてきた/飲水量・尿量が明らかに変わった
- 散歩に行きたがらなくなった(関節や心臓などの不調のサインのことがあります)
- 口を気にする、よだれが増えた、口臭が強くなった
獣医師監修の解説では、シニア犬の多くは2〜3日間、水だけでも体調を崩さずに過ごせるとされています。ただしこれは「2〜3日は様子を見ていい」という意味ではありません。同じ解説でも、見た目に分からない異常が体内で起きていることがあり、早期発見が大切な病気も多いため一度は受診をすすめています(出典:COCOペットジャーナル・獣医師監修)。「なんとなくいつもと違う」は、それ自体が受診の理由になります。
シニア犬が食べなくなる6つの原因
犬は7〜8歳ごろから老化が始まるとされ、食欲の変化にはいくつもの原因が重なります。
① 病気
シニアになるほど、食欲不振を引き起こす病気にかかりやすくなります。判断材料になるのは水分摂取量・尿量・運動量・体重の4つ。ここに変化があれば、食欲の問題ではなく病気を疑います。
② 消化機能と基礎代謝の低下
加齢で内臓の機能と基礎代謝が落ち、成犬のころは消化できていた食事が処理しきれなくなります。運動量も減るのでお腹が空きにくくなり、結果として食が細くなります。これは異常ではなく自然な変化で、必要量そのものが減っていることもあります。
③ 味覚・嗅覚の変化
年を重ねると感覚器の機能が落ちます。今まで好きだったフードでも、においや味の感じ方が変わって「おいしくない」と感じるようになります。認知症でも急に好みが変わることがあります。犬は主ににおいで食べ物を判断するので、嗅覚の衰えは食欲に直結します。
④ 口のトラブル(歯周病など)
シニア犬に非常に多い原因です。歯周病が進むと歯がぐらつき、痛みでごはんが食べられなくなります。あごまわりの筋力も落ちるため、噛む力そのものが弱まります。重度の歯周病や口内炎があると、水すら飲めなくなることがあります。
⑤ 足や首の筋力低下(=姿勢がつらい)
見落とされやすい原因です。床に置いたお皿で食べる場合、首を下げ続ける姿勢と、立ったままの姿勢の両方が必要になります。筋力が落ちると食欲はあるのにすぐ食べるのをやめて寝てしまうため、飼い主さんからは「食欲がない」ように見えてしまいます。
⑥ ストレス・環境
シニア犬は心身のストレスを感じやすくなります。目が見えにくい、関節が痛いといった理由で食事場所まで行くのが苦痛になっていることも。分離不安が強くなり、飼い主さんの姿が見えないだけで食べなくなる子もいます。
今日からできる6つの工夫(この順に試す)
1. 食器の高さを上げる
最初に試す価値が高く、お金もほとんどかかりません。愛犬の肩の高さあたりを目安に食事台を置くと、首を下げずに食べられます。台がなければ、空き箱や本の上に滑り止めを敷いて高さを出すだけでも試せます。⑤が原因だった場合、これだけで食べ始めることがあります。
2. 温めて香りを立てる
温めると香りが強くなり、嗅覚が落ちた犬の食欲を刺激します。電子レンジや湯せんで人肌程度に。熱すぎるとやけどの危険があるので、必ず温度を確かめてから与えてください。
3. ふやかして柔らかくする
ドライフードが噛みにくそうなら、ぬるま湯でふやかします。水分補給にもなるので脱水の予防にもつながるのが利点です。水だけで食べないときは、ささみのゆで汁や犬用スープでふやかすと食べることがあります。
4. 1回量を減らして回数を増やす
消化能力が落ちているぶん、内臓の負担を減らします。成犬は1日2回が一般的ですが、シニア犬は3回程度に分けるのがすすめられています。食べられる量だけで構いません。残しても無理に食べさせようとせず、量そのものを見直してください。
5. ウェットやトッピングを少し混ぜる
ドライにウェットフードを混ぜると、柔らかさと香りの両方が補えます。トッピングを足す場合は、最初はごく少量から。急に手作り食に切り替えると、かえって戸惑って食べないことがあります。
6. 食事まわりのストレスを減らす
静かな場所に移す、飼い主さんがそばにいる、食器を滑らないものに替える。散歩に行けなくなったことがストレスなら、カートで外の空気に触れるだけでも変わることがあります。
それでも戻らないとき:シニア向けフードの選び方4点
受診で大きな病気が見つからず、工夫も試したうえで食が細いままなら、フードそのものを見直します。見るポイントは4つです。
- 香りが立つか:嗅覚が落ちた犬にとっては味より香りが重要です。温めたりふやかしたりして香りが出るタイプかどうか
- ふやかせるか:噛む力が落ちても続けられるかどうかは、シニア期には現実的な条件です
- タンパク質の量:犬は本来肉食で高タンパクが基本ですが、加齢で代謝が落ち内臓の負担が増えるため、中高齢期は「高」より「中」程度が体に優しく働くという考え方があります。ただし極端な低タンパクを長期間続けると、毛づやの悪化など別の問題が出ることもあるので、制限が必要かどうかは獣医師の判断で
- 総合栄養食かどうか:主食として与えるなら必須の条件です
そして切り替えは急がないこと。今のフードに1〜2週間かけて少しずつ混ぜていきます。シニア犬は変化に弱いので、成犬のとき以上にゆっくりで構いません。
候補:和漢・みらいのドッグフード【シニア】(2026年7月時点)
シニア期向けの選択肢のひとつが、自然の森製薬(製薬会社)がつくる「和漢・みらいのドッグフード 総合栄養食【シニア】成犬・高齢犬(8歳以上)」です。以下は2026年7月時点の公式サイト表記にもとづく整理です。
| 対象 | 成犬・高齢犬(8歳以上)/総合栄養食 |
| 主な原材料 | 生肉(鹿・馬・魚)、大麦、玄米、国産雑節、サツマイモ、菜種油、煎り胡麻、米ぬか、和漢サプリ粉末ほか。和漢植物を89種類以上配合 |
| 穀物 | グレインフリーではありません(大麦・玄米を使用) |
| 栄養成分 | 粗たんぱく質25.3%以上、粗脂肪7.7%以上、334kcal/100g |
| 内容量 | 1kg/袋(500gもあり) |
| 価格 | 定期コース 1kg 1袋 税込6,050円・送料無料(通常購入は税込6,600円+送料880円)。500gの定期初回は税込3,905円・送料無料 |
| 給与量の目安 | 体重1kgあたり15g(10〜20g)を1日数回に分けて |
| 製造 | 日本国内。低温低圧製法 |
| 付属 | マウスクリーンパウダー(食べる歯みがき粉)をフード1kgにつき1袋進呈 |
先に注意点から
- 価格は高めです。1kgで税込6,050円(定期)。体重5kgの子で1日約75gの目安なので、1袋はおよそ2週間分です。続けられる価格かを先に確認してください
- サンプルはありません(公式が方針として用意していないと明記)。ただし公式は「一気に切り替えず、今食べているものに10%程度から混ぜる」方法をすすめています
- 定期コースは連絡がなければ自動更新です。1回のみで止めることもできますが、変更・休止・解約はお届け予定日の10日前までに連絡が必要です
- ロットごとに色・においが変わります。これは不良ではなく、意図的に配合比率を変えているためだと公式が説明しています。気になる方は理解したうえで選んでください
- 療法食は獣医師の指導のもとで。腎臓用・肝臓用などの特別療法食シリーズもありますが、飼い主の自己判断での使用は公式も控えるよう案内しています
- グレインフリーではありません。穀物アレルギーが確定している子には向きません
シニア犬に向いている点
- 主原料が鹿肉。高タンパク・低脂質で、消化のよいタンパク源です
- ふやかしても栄養素が壊れないと公式が明記しており、水を注いで10分以上置く、電子レンジで温めて香りを立たせる、水を増やしてシリンジで与える、といった対応ができます。噛む力が落ちても続けられるのはシニア期には大きな利点です
- 「食べる歯みがき粉」が付属し、口腔ケアまで想定されている点は、④の口のトラブルを抱えやすいシニア犬と相性がよい設計です
- 賞味期限は製造日から24か月(未開封)。国産・無添加志向
- 返品は発送日から14日以内・未開封であれば可能と公式に記載があります
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※価格・仕様は2026年7月時点。最新情報は公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 好きなものだけ与えてもいいですか?
短期的に「まず食べてもらう」ことは大切ですが、好きなものだけを続けると栄養が偏ります。おやつやトッピングで食べさせ続けると、主食を余計に食べなくなることもあります。食べられるようになったら、少しずつ総合栄養食の比率を戻していくのが基本です。
Q. 食べないのは寿命のサインですか?
状態によって大きく異なります。寝たきりで自力採食ができず持病も進んでいる場合は、看取りが近いこともあります。一方で自力で食べられる状態なら、形状や与え方を変える、点滴で脱水を改善するといった対応で食欲が戻ることがあります。自己判断せず、まず獣医師に状態を診てもらってください。
Q. シニア用フードには何歳から切り替えますか?
一般に小型・中型犬は6〜7歳ごろ、大型犬は5〜6歳ごろからシニア期に入るとされています。ただし年齢だけで決めるものではありません。体重の増減、活動量、便の状態を見ながら判断してください。
Q. 何日食べなかったら病院に行くべきですか?
日数で線を引くより、「水を飲んでいるか」「吐いていないか」「いつもと様子が違わないか」で判断してください。特に水を飲まない場合は日数を待たずに受診を。食べない以外の変化が何もなくても、シニア犬なら一度診てもらって損はありません。
まとめ
- 「食欲がない」ではなく「食べにくい」だけのことがある。原因は6つ(病気/代謝低下/味覚・嗅覚の変化/口のトラブル/筋力低下/ストレス)
- 水を飲まない・吐く・体重が落ちる・散歩を嫌がる、があればフードより先に受診
- 工夫は食器の高さ → 温める → ふやかす → 回数を増やすの順で。お金をかけずに試せるものから
- フード変更は最後の手段。見るのは香り・ふやかせるか・タンパク質量・総合栄養食かの4点
- 切り替えは1〜2週間かけて少しずつ
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参考にした情報
- シニア犬(老犬)が食べない原因は?対策を獣医師が徹底解説|COCOペットジャーナル(獣医師監修)
- 高齢犬・シニア犬・老犬のための食事|和漢・みらいのドッグフード(公式)(原材料・価格・FAQ/2026年7月確認)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、診断や治療を目的としたものではありません。愛犬の状態については必ずかかりつけの獣医師にご相談ください。
※価格・仕様は2026年7月時点の公式サイト表記です。変更されている場合がありますので、購入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
文責:best-dogfood 編集部



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